コロナウィルスで世界各国で影響を及ぼしていますね。学校教育でもご存じの通り沢山影響が出ています。特別支援学校でも、就職に向けた校外実習の受け入れ中止や就職の受け入れさえもなくなる生徒が多く出ているようで、学校も保護者も生徒もみんなが不安に感じているようです。
そんな中、先月に引き続き今月も特別支援学校の校外実習の受け入れをしています。今回は前回よりも一週間長く、二週間の実習となっています。前回は備長炭の製造が止まっていたため薪の作業を体験しましたが、今回は二週間すべて備長炭の製造を体験しています。
今週は「火つけ」(炭化始まりの作業)から始まり、原木の伐採現場での実習と木の運搬、原木割りと原木並べを行いました。実習生にとって、山での作業は非日常的な活動になったので(ほぼ全部の作業が非日常ですが笑)、チェーンソーで原木を倒す瞬間や、切った原木を投げたり50kgほどある重たい原木を起こしては倒すという作業を、目を輝かせながら励んでいた様子が印象的でした。仕事となると心が折れそうになることも出てきますが、楽しそうに仕事に励む姿を見ると嬉しく、こちらも気分が上がってきます。
土佐備長炭一の製造工程はこちら→土佐備長炭ができるまで
校外実習を通して「働く」を体験し。「働く」ということについて考えるいいきっかけになります。働かないとお金をもらえないし、お金がないと生活に困ります。お金という見える報酬ももちろん大切ですが、それ以上に大切なのは見えない報酬である「やりがい」「生きがい」だと私は考えています。
「やりがい」「生きがい」というものは人それぞれ考えも感じ方も違うので、答えは沢山あると思います。仕事となれば楽しかったことでも楽しくなくなる瞬間が必ず訪れます。あのイチロー選手でさえ、プロになった瞬間「小学生の時にやっていた楽しさはゼロだった。それはプロとしての責任が付いて回るから。基本的には失敗と常に向き合うことの時間になるのですごく大変なこと。というのがプロの世界だということは知っておいてもらいたい」と言っていました。
やりたいことがない人にとって、「この仕事はやりたい仕事ではない」で選ぶのではなく、今はやりたいことはないのだけれども、やりたいことを見つけるために今の仕事を一生懸命頑張る。という考えを頭においてほしいな。と思っています。一生懸命生きることで「本当にやりたいこと」や「やりがい」「生きがい」が見えてくるのではないか。本当にやりたいことが見つかれば、その道で一生懸命にやればいいし、仕事は必ずしも一つのことを全うしなくてはいけないとは考えていません。
実習生がどのような道を選ぶのかはわかりませんが、土佐備長炭一にくれば「自分の可能性」について考えられる場所になります。
あと一週間、みっちりと土佐備長炭一の製造に励んでもらいます。来週は窯出しも窯くべもあります。楽しみだな!頑張れ!