高知県安芸市で土佐備長炭と薪の製造と販売をしている土佐備長炭一の近藤寿幸です。
長期に渡る雨の影響で備長炭の製造が出来なかった8月。先日、熟練の技術を持つ職人さんに来ていただいて、久しぶりに指導を受けながら『火つけ(炭化作業)』をしました。
作業中、要所要所で質問と回答のキャッチボールの連続。今までの疑問が論理的にも解決し、ウキウキしながら火つけが出来ました。結論は、短期は損気。僕そのものに問題がありました笑 ついつい我慢しれずにつついてしまう。
炭化の際、ヌカ(窯の煙突)の温度が85℃(温度だけでは判断しない)になると薪の熱がなくとも原木同士の熱で徐々に炭化が進みます。炭化の目安になるのが温度、煙の匂い、煙の濃さ、目穴(窯の焚き口に作る穴)から出る煙の勢い。状況によってそれぞれの現象は変化し、その都度臨機応変に対応する。
上の写真が目穴から出る煙。煙の量が少ないし勢いがないので、炭化の煙が増えるのを待つ。
下の目穴から出る煙を確認している写真。穴から6センチくらい勢いよく煙が出ていれば様子見。出ていなければ上の目穴を大きくして様子見る。もう少し煙が濃くなるのを待つ。
ヌカと呼ばれる煙突の様子。約7センチ角のヌカをレンガを使って5センチまで縮める。さらに煙の量や匂い濃さなどで炭化の進み具合を判断しながら、1〜2センチほどのクダを2本使って調整していく。
炭化の進み具合が遅いと、焚き口に炭材が焼け落ちてくる。この時に一時煙に量が増えるが、目穴やヌカ、コガマ(上の写真のレンガの隙間)を狭くしたり広くしないこと。
いつも間にか、自己流になっていて基本にかえれた1日でした。あと誤学習もあったことに気づけたことが大きかったです。知れば知るほど、奥が深いなぁ。短期は損気やな。とつくづく実感し、楽しいな。とテンションがあがった有意義な時間でした。
おまけに…
制服である『一』ポロシャツを着て一枚。どんな色でもオシャレ笑
息ぴったりの二人。相乗効果で職場が明るくなります。
さて、窯出しまでもう一息。いい炭が出ますように。