高知県安芸市にある、安芸市では唯一の土佐備長炭の窯元『一』。西岡栄吉さんが窯に来て早八ヶ月が過ぎようとしています。
昨日は、窯の中に原木を入れる『窯くべ』をやりました。実は栄ちゃん、備長炭作りの中で大の苦手としているのが、この『窯くべ』。普段は積極的に取り組むのですが、この時だけは真逆の姿になってしまう栄ちゃん。なので、私は先月まで、一年後には少し窯くべが手伝えるようになるかなぁ。と想像していました。しかし、その想像を遥かに超えた栄ちゃんがいました。
なんと、約40本くべることに成功したんです!そして、自分がくべたい所にくべられた瞬間の『ヨシ!!』が聞こえた瞬間、私はとても感動し『西岡さんにとって備長炭作りは本当に天職なんだな』と、思わずはいられませんでした。
くべられるようになると、バイ(原木を入れる穴)からひょっこり顔を出し目をかっぴらいて対面でくべている私の姿を見ていました。その力強い目からは、やる気と技を盗もうとする気持ちと何よりも楽しさが伝わってきました。『綺麗にくべられると気持ち良いもんですね!!』と、満面の笑みで一言。その笑顔とコメントが一番気持ちがいい。
西岡栄吉は確実に腕を上げています。
『向き不向きよりも、前向きに。』
普段から栄ちゃんに伝え続けている言葉です。