土佐備長炭一ICHIの近藤寿幸です。
久しぶりの投稿となります。これまでの学びや体験のおさらいと考えをまとめる回としたいと思います。
今回はブランドについて。
昨日、高知県木炭振興会主催の【土佐備長炭ブランド化推進事業】に参加してきました。
私たちが集まる目的と、私たちの役割について深く考えさせられました。毎年のこの勉強会は、ただ集まっているだけではなく、私たちがどのような考えで土佐備長炭を作り、自分たちまたは販売者が届けるか。そして作った炭の価値をどのように伝え、拡大できるかを真剣に考える機会である方がいいし、貴重な予算を意義のあるものにした方がいい。
【ブランド】とは何か。
個人的な意見として、生産者も販売者も主催する側も理解する必要があると個人的に見えたし、質問内容を聞いても感じました。
ブランドとは【全部(本質)は目には見えないけど確かにそこにあるもの】
もう少し深掘りしていくと
【ブランドは、人生の時間やその対価を払ってでも得たり感じたりする価値であり、その価値を活かして広く認知してもらうこと、つまりファンづくり】
だと考えています。
凄くシンプルにすると、
【ブランド=約束】
TOYOTA=信頼できる移動手段
HERMES=時を超えた美
※個人的な見解です
共通しているのは、それぞれの分野で「信頼」と「品質」の象徴であること、そして顧客との間に「約束」を築いていることです。
それでは土佐備長炭が与える価値、約束は何でしょうか?
ブランドが何なのかを理解していない人がブランド化事業の立案も出来ないし、ブランドについても教えられない。もちろんブランドを学びたいという気持ちも必要。そして、何よりこのブランドを使いたいと思う人も必要です。この中でどれかが欠けても、ブランドは成りたたない。
僕が思うブランドは【その人の中にある】と考えています。
例えば、スノーピーク。キャンプ用品が様々ある中でスノーピークを欲しがる人は少なくない。それは何故か、簡単に言うと“カッコよくて、使い勝手がよくて、丈夫”あとスノーピークを持っていることが一つのステータスになると考えいる人もいるかも。だから、高くても買いたい、使いたいと思う。
これって、使う側の頭にありますよね?
これを備長炭に置き換えて考えると、“一定の火力で、長く燃えて、料理が美味しくなる”これじゃないかな。と私は考えます。でも、これはどこの備長炭も同じで、使う側はこれを体験できます。
そして、備長炭を使ったお店に食べに来たお客さんは【備長炭でしかできない】体験ができます。備長炭でしか味わえない料理の味や香り、美しさ、食材が焼ける音…五感でこれを体験できます。これプラス、料理人やスタッフからの話(料理に対する想い、食材や飲み物などの情報)によって、そのお店でしか味わえない体験ができます。きっと、またここに来たい。と思ってくれるでしょう。
このようにブランドってその人の中にあるもので目には見えない。つまり個人の価値観に合うかどうか。
僕たちは、その価値観を満たす約束できるかどうか。
土佐備長炭というブランドは、これまでの生産者と販売者、そして消費者によって築き上げられてきたので、今では当たり前の存在になっている。今の生産者と販売者は深く考えられていないんじゃないかなぁとも感じました。もちろん中にはちゃんと考えられている方々もいます。
もう一度、ブランドとは何かを主催側も作る側も売る側も理解する必要がある。その上で、土佐備長炭とは何ぞや。を考えて行った方がいい良いと思う。そして、この技術を後世に残すためにも無形民俗文化財の指定は必須だと考えています。
私が考える土佐備長炭のブランド化
(詳細は省く)
1.高品質最低限
2.幅広い規格
3.備長炭で得られる体験
4.伝統の継承
5.持続可能性と在り方
最後に、土佐備長炭のブランド化推進事業の講習順としては、
1.ブランドを学ぶことから始める
2.売る側の話と使う側の話
3.山づくりの話
4.使ってほしい対象者に向けた話
これが土佐備長炭のブランド向上化のカリキュラム案の1つです。
次は、土佐備長炭の特徴を考えてみたいと思います。ご一読いただきありがとうございました。